出会い

ありこさんが出会ったときのことを書いてるので、私の視点のお話を少し。

2011年の五月。
一回目の一時帰宅で、猫を二匹保護したものの、残る一匹。
母の愛猫ボンちゃんを保護できなかった私は、深く悩んでいました。

当時は二次避難施設の裏磐梯にいて、自宅のある浪江町までは車で3時間ほどの道のり。
警戒区域に設定されて、自由に入ることもままならず・・・
私は車の免許も持っていない。

NEC_0001_20170304223014fbc.jpg
あちこちに設置されたバリケードのせいで、自宅へ近づくこともできません。

そんなときに、警戒区域になった圏内で猫を保護している人がいるという話を聞いたのです。
中に入っているという団体や個人は何か所かあって、当時、連絡先の分かるところには連絡を入れたり保護の依頼をしていました。

そんなある日、福井県にあるねこさま王国という団体が圏内に入るという話を聞きました。
連絡先の電話番号を教えてもらって・・・

事前に調べた、ねこさま王国のHPには「家猫5匹保護猫その時たくさん。にゃんこにまみれた幸せな?猫の王国の召使です・・・。」と書いてあって・・・

・・・・本当にこの人が、福井県から福島まで来て、猫を保護してくれるのだろうか?と不安になった。
だまされてるんじゃなかろうか?と思ったりもした。

変な人でもいい。猫を助けてくれるなら・・・と、意を決して電話をかけました。

電話口に出たのは、やさし気な語り口調の女性で・・・
私の携帯の通話料のことを気にして、すぐに折り返して電話をかけなおしてくれた。

何を話したのかよく覚えてないけど・・・
うちの猫がまだ一匹保護できないんです、助けてくださいとお願いしたと思う。
そしたら、中山さんは・・・
「一緒に行きませんか?」と言ったのです。

それまでに電話したいろんな団体は、そんなことを言う人はいなかったので、とても驚きました。
猫が助かるなら・・・
私が行っても迷惑にならないなら・・・

そんなわけで・・・自宅のある浪江町にたどり着いた私。
(そこまでの行き方は、森さんの本でご覧ください)

ありこさんはまだ到着していなかった。
自宅で捕獲機の使い方のレクチャーを受け・・・
猫を探して、たださまよっていると・・・

しばらくして、ありこさんがやってきた。
車から降りてきたありこさんは・・・

たくさんの荷物を手に持っていて・・・
「はい、バーベキューセット。」
「はい、魚」
「はい、ウインナー」
「はい、ソース焼きそば」
「はい、柿の葉寿司と焼き鯖寿司(人間用)」

山のように、いろんなものをくれて、これで匂いを出して、猫を寄せ集めてくださいと言っていたような・・・

「じゃ、頑張って!何かあったら、連絡してくださいね」
と去っていった。
対面時間はたぶん、30分に満たなかったと思う。

一人、取り残された私は・・・
勝手知ったる我が家で、バーベキューをするという任務を遂行するべく動き出しました。

NEC_0080_20170304223025a33.jpg

困ったのは、火を付ける道具がなかったことでした。
震災当日、停電で真っ暗だったので、ライターなどを使ってろうそくを使ったことは覚えている。
その後、何かあったらということでライターは、父がもって避難していた。

自宅にあったのは、仏壇のしけったマッチ数本。


着火剤はなく、炭に火を起こさなければいけない。
最初の一本は、着火剤代わりにしようと思った新聞に火を付けたとたんに消えてしまって・・・
炭までには火が届かず・・・

地味にピンチだった。

残りのマッチは真剣に頑張らないと、サバイバル並みに木材をこすり合わせて火を付ける羽目になる。
・・・屋内にあった新聞や雑誌を総動員して・・・
ようやく炭に火は起きました。

見たことのない形の魚に、『この魚はいったい何だろう…???』と思いながら、
焼き始めると、今度は別の問題が発生しました。

頭上をトンビが飛び始めたのです。
カラスもギャーギャーと鳴いています。
魚の焼ける匂いで集まってきたのでしょう・・・

煙ももくもくと出始めました。

『このままじゃ・・・猫が来る前に警察が来てしまう・・・・』
と焦っていたその時でした。

裏庭の方から、ボンちゃんの声がしたのです。

NEC_0066.jpg
追いかけると逃げてしまう、ボンちゃんを追って・・・
裏庭に向かう私。

バーベキューのことはすっかり頭にありませんでした。

ボンちゃんを無事に確保するまでにかかった時間は5分くらい。
最初はシャーとか怒っていたボンちゃんでしたが、捕獲して、二階の私の部屋に閉じ込めると、今までに見たことがないくらいに痩せていました。

NEC_0065_2017030422302128b.jpg
(のちに、どこが痩せたの?と聞かれましたが)

ボンちゃんを確保したことで、安心して・・・
火が付きっぱなしだった、バーベキューセットのところに行ってみると・・・

網の上は空になっていました。
倒されることもなく、きれいに空になった魚とウインナー。
あの当時飢えていた、犬か鳥か・・・だれかのお腹をいっぱいにする役には立ったみたいです。

ボンちゃんを保護したことを連絡すると、ありこさんはとても喜んでくれて・・・
私もうれしくて・・・・
泣いた。

NEC_0060_201703042230170a9.jpg

翌日、迎えに来てくれたレスキュー班が保護したツナミ君。

NEC_0064_2017030422302002b.jpg
捕獲機を使うこともなく、ケージの中にご飯を入れると、素直に入ってくれました。
NEC_0063_20170304223019aa4.jpg


時が経って、振り返ってみると、笑い話になってしまうのだけど・・・
あの当時、本当に必死でした。
あの時、ありこさんに電話して良かった。

そうしなかったら、ボンちゃんは助かっていなかったかもしれません。
出会えてよかった。

本当にそう思います。





悪の白黒

少し、間が空いてしまいましたが・・・
生きてます。

仕事が忙しくて、半死半生の日々です。
そんな毎日をいやしてくれるのは猫ですが・・・

DSC02530.jpg
酷いのもまた、猫・・・

ある日、帰宅した私が見たのは・・・
手芸用の綿が散乱した室内。

手芸をされる方はご存知かと思いますが、手芸綿は圧縮されていて
開けるとすごく広がります。
なので、結構丈夫な袋に入っているのです。

それを爪と牙をもった生き物が破いたのです・・・・

泣きながら片づけました。

DSC02527.jpg
ある朝。
起きて、さぁ・・・朝食でも食べようかな?と、
キッチンに向かった私が見たのは・・・・

蓋のあいた炊飯器。
いつもは、猫が上に乗れないように、
食器棚のスライド棚を閉じておくのですが・・・
忘れたらしい・・・

忘れた私が悪い。

でも、前の晩に炊いたご飯が、
炊飯器の形にカリカリになっているのを見た時は
・・・泣いた・・・・。

朝食は抜きです。

DSC02547.jpg
何処にでもついてくる、かわいい白黒猫。
トイレに入れないようにしてたのに、いつの間にか入り込んでいた。

まぁ・・・いいか。
と思って好きにさせて・・・
用を足す前に少し水を流したら・・・

お水大好き白黒男。
流れる水を見逃すはずがなかった・・・
私の肩に乗って、水遊び。

降りかかる水滴。
冷たい・・・

肩に食い込む爪、痛い・・・

泣いた・・・

DSC02537.jpg
ある日、帰宅した私が見たのは・・・
水浸しの床。

横倒しになって水が入っていないので、ガガガガッと音を立てるモーター。

なぜかびしょ濡れの老犬。

お水大好き、白黒猫は・・・
ウォーターファウンテンに乗って、流れる水を見るのが好き。

中に一杯水が入っていると重さで倒れたりしないのだけど、水量が減っているとバランスを失って倒れることがある。

泣きながら、床を拭いた・・・

DSC02504.jpg
深夜、ぐっすり眠っていた私は・・・
おなじみのガガガガッという音で目覚めた。

寝室に置いてあるウォーターファウンテンが倒れていた。
床は水浸し・・・

眠い・・・

でも、そのままにするわけにはいかなくて・・・
起きて拭いた。

そして、ウォーターファウンテンを設置しなおした。
ちょっと泣き寝入りした。

DSC02501.jpg
ある日、帰宅した私が見たのは部屋一面に散らばる綿。
中身を抜かれて、へたったよれよれのぬいぐるみ。

目を合わせない犬。



犬のすることなんか、可愛いもんだ。

ちょっと笑った。



福猫小町、近日OPENです!!
今回私の作成物はありませんが、素敵な商品がそろっています。
OPENしてすぐ、売り切れてしまいそうな素敵バッグもあります。

ぜひのぞいてみてください。

閑話休題

最近の猫たち。
うちにいる子は、みんな具合の良くない子ばかりなので・・・
そんなに代わり映えもしないのですが・・・

DSC02438_20170209143922e05.jpg
弥生は、口が痛い他は元気。
ご飯ももりもり食べてます。

DSC02448.jpg
もしかしたら、お口が痛いことも了解されたうえで、お見合いがあるかもしれません。
猫が大嫌いで、人が大好きな弥生だから、弥生だけを甘やかしてくれる人ができるといいなぁ・・・

DSC02428.jpg
マイペースちさと。
相変わらず、目ヤニはふかせてくれません。
お口の手入れはマメなのに、お目目はきれいにしない汚猫さま。

目ヤニ以外は何の問題もなく、元気いっぱいで病気知らず。

DSC02390.jpg
相変わらずのチャム&あられ。
チャムを可愛がっていると、すぐに走ってやってくるあられ。
撫でられるのも好きなんだけど・・・チャムを可愛がりたいときに、あられがやってきて・・・
チャムを可愛がる時間が減ってしまう。

なんだか、チャムがあわれになる今日この頃です。

DSC02397.jpg
チャムにあまえているのか、私に甘えているのか微妙なあられ。

ちなみに私がお出かけの服装で現れると、シャーと言って逃げていくあられ。
病院に連れていかれるのが大嫌いです。
エプロンつけて、だらだらした服を着てる時しか甘えてくれません。

DSC02405.jpg
最近、調子のよくない男。
コメ太郎。

痩せてきてしまって、貧血っぽくて、口は痛そうじゃない。
となると、内臓疾患が疑わしいのですが・・・

DSC02409.jpg
採血の結果は腎不全でした。
アンモニアの数値も少し高いので、毎日の点滴が必要です。
体が大きいので、点滴の量も多く・・・
やっぱり・・・協力してくれるわけもなく・・・・

かわいそうですが、毎日捕まえて無理やり点滴しています。
陸やうずらも最初は大暴れでしたが・・・

時間が経つと、点滴をすると体が楽だと気付くのか?しつこい人間に根負けするのか、
少しだけ落ち着いて点滴させてくれるようになります。
DSC02434.jpg
毛布で包んで、点滴してても・・・
尻尾はボンボンに膨らんでいます。

DSC02418.jpg
「そんな男じゃなくて、わたちをかまいなさいよ!」
茶々はいつも姫なのです。
点滴してる時もお構いなしなので・・・ちょっと困ってます。

写真はありませんが、あんずは口内炎の二度目の手術で、お口が痛くなくなりました。
舌炎は相変わらずなのですが、すぐに出血するようなことはなくなりました。

ふわりさんは相変わらずです。

二階のお掃除を終えて、一階にやってきて・・・
ちょっと座ると、
DSC02457.jpg
すぐに膝が埋まる。
つばめはお膝に乗るのが大好きで・・・絶対に自分からはおりません。

DSC02453.jpg
それを見つめる、不満で口が膨らんだ犬。

さて、ブログでも更新しよう・・・と、立ち上がると・・・
DSC02462.jpg
変な寝相の猫が椅子を占領している・・・

相変わらず、猫にまみれた生活をしています。

DSC02304_20170209145622c56.jpg
『おれ、歌麿。絶賛募集中のイケメン!』




名付ける。

前回のまとめ。

にゃんこはうすがOPENすることになって、
大自然の中でハイジのように暮らしてみませんか?という誘い文句にのって、やってきた私。
何をしていいかわからず、右往左往するばかり。
犬は元気に吠えまくり・・・

凹む私。

NEC_0127.jpg
そんなこんなで、テンパっておる間にも、刻々と時間は過ぎて・・・
猫がやってくることになりました。
頭数は8匹。

そう聞いた瞬間は、『思ってたより少ないな…』と思ったのですが・・・
8頭分の二段ケージを用意して・・・
トイレを用意して・・・と思ったら、数が足りなくて
段ボールで作ったりして・・・

そうこうしている間に猫がやってきました。
オスが5匹。
メスが3匹。

しかもオスのうち、二匹は負傷猫。
一匹は、痩せて大きくなった首輪がたすき掛けになり、深く体に食い込んでいる状態でした。
その日のうちに会津若松の病院に入院になったラッキー。
NEC_0156.jpg
同じ部屋にいるだけで、膿の匂いが鼻をつく。
つけていた首輪は、膿にまみれて模様も色もよくわからない状態でした。

そして、尻尾のちぎれた白猫。
おそらく、けんかか獣にやられた傷と思われますが、尻尾の先端から骨が見えている状態で、
切断が必要で、地元の病院で処置を受けました。
NEC_0107.jpg
このあたりの時系列が、はっきりしないのです。
猫が一気に8匹来たのか・・・何匹かずつきたのか・・・?
ありこさんに聞いてみようかな?

たぶん、いっぱいいっぱいで脳内メモリに記憶されてないのだと思います。
パソコンでいうなら、アプリをいろいろ起動しすぎてメインの動作がめっきり遅く、処理能力の限界を超えてた感じ。

保護されてきた猫たちは皆、状態が悪かったので、
まずは病院に行って、検査を受けました。

NEC_0904.jpg
(何日かして、優雅に過ごす犬)

その後、猫たちを感染症の有無で部屋を分けて、ケージに移し・・・
もちろん、保護猫の扱いなんか全然知らない私にはできず、保護してきたレスキュー班が移してくれました。

猫がパニックにならないように、バスタオルで包んで移動させるといいというのも、この時初めて教えてもらいました。

・・・と、ここで言い訳をしておくと、
この時まで、私は猫をケージで飼ったこともなく、二段ケージのセッティングも当然できなかった。

敷き物をしいて、トイレをセットして、エサ入れと水入れを用意して・・・
言葉でいうと簡単なんだけど、猫が二段目から降りるときに邪魔にならないようにトイレを設置しないといけないし・・・・
もちろん、フードボウルも倒れにくい場所に置かないといけない。
それでいて、猫のくつろげるスペースも確保しないといけない。

今なら当たり前にできることの何もかもが初めてで、
自分の家以外の猫、しかもどんな子かもわからない猫に接するのも初めてでした。

猫はぐったりしている子がいれば、シャーと威嚇している子もいる。
すぐに様子を見て、触りたいが・・・ケージに慣れて落ち着くまでそっとしておくのを知ったのもこの日でした。

NEC_0115_20170206232706f1f.jpg
目を開けたまま、くーくーと寝息を立てて寝ている猫。
時折、ぴくっと手足が動くのは痙攣してるんじゃないかと心配だった。

次の仕事は、猫たちに名前を付けることだった。
これが意外に難しくて・・・
名前を付けるってことは、その子に責任を持つっていうことでもあって・・・
これまでの人生で、名前を付けた子は、みんな自分の家の子になった。

ぷーを亡くしたばかりで、(別に保護された子の里親になるということじゃないのだけど)その子の今後に責任を持つっていうのが、決心がつかなかったし・・・
単純に会ったばかりで名前をつける判断材料に困ったというのも原因の一つだった。

ただ、名前を付けるっていうことができずに、困っている私を見かねて、
結局ほとんどをありこさんが名付けてくれました。

NEC_0112.jpg
リル
理由:川のそばっていう地名で保護されたので。
川→リバー→リル

NEC_0129.jpg
こもり
理由:こもりっていう地名の場所で保護されたから

NEC_0115_20170206232706f1f.jpg
くり
理由:○○くりっていう、地名の場所で保護されたから。

NEC_0156.jpg
ラッキー
理由:大けがをして、保護されて、命の瀬戸際で助かってラッキーだったから。

NEC_0113.jpg
ほたる
理由:川のそばって意味の地名で保護されて、川→夏だし→蛍

NEC_0114.jpg
ひじり
理由:ひじり○っていう地名で保護されたから。

NEC_0116_20170208191443e21.jpg
やきそば
理由:保護した場所が浪江やきそばの店のそばだったから。

NEC_0155.jpg
ルル
理由・・・ルルって感じだから・・・(地名じゃないんだ・・・)

・・・・・・よく思いつくなぁ・・・
と感心したのが半分。

・・・そんなんでいいんだ・・・
と、肩の力が抜けたのが半分。
残りの二匹、しっぽがちぎれてしまった男の子は私が名前を付けました。

ゆき、とか、
うさぎ、とか、
思いついて・・・
NEC_0504.jpg
ねこさま王国の過去の保護猫との兼ね合いとか、いろいろで・・・
『ゆきうさぎ』になった。

名付けただけなんだけど・・・・
それだけで、特別な存在になる。

保護猫ちゃんっていうのじゃなくて、名前がつくことで、その子になる。
個性を感じられるようになるのは、不思議な感覚です。

(続きはまた後日)










指令という名の無茶ぶり

それは、確か2011年の7月中旬のことだった・・・
大恩ある福井県民から電話がかかってきた。

その前の月に、私はその人の助けを借りて、ボンちゃんという母の愛猫をようやく保護出来て、
しかも、一緒に住める状況になかったので、預かってもらっていたのだ。

なんの電話だろう?
まさか、ボンちゃんに何か???
精神的に不安定だったし、ぷーを亡くしたばかりでもあったので・・・
私はたぶん、すごく緊張していたと思う。

そんな私に、中山さん(当時はこう呼んでいた)は言ったのだ。

「大自然に囲まれて、ハイジのように暮らしてみませんか?」

漫画風に表現すれば、その時私の目は点だったし・・・
頭上には変な鳥が飛んでいたのではないかと思う。

NEC_0025_20170206232659997.jpg
と、いうわけで、にゃんこはうすの昔の話。
第二弾です。

文字ばかりだと読みにくいので、当時の写真と秋ごろの写真を挟んでお送りします。


目が点になった、私は、確か・・・
「どういうことですか?」と聞いたような気がする。
さっぱり意味が分からなかった。

何しろ、そのころ避難していた裏磐梯はそれはそれは、大自然に囲まれた場所で、熊も出るしカモシカも出る。
大自然の中でハイジのように暮らしているといえなくもない状況だったからだ。

その時なんと説明されたのかよく覚えてはいないが、警戒区域の猫たちを保護して、
体調が安定するまで一時的に保護する施設を作りたいと思っていて、建物は借りて、猫部屋も一部出来上がったのだが・・・
そこに常駐するスタッフの都合がつかないという話だった。

常駐する予定のスタッフが、現地に行けるまでの数週間。
犬を連れてきてもいいから、大自然に囲まれたにゃんこはうすで、猫の世話をしてもらえないか?というオファーだったのだ。

NEC_0037.jpg
犬を連れて行っても良いというのが、魅力だった。

避難生活中で、やることもなかったので、毎日おっさん犬と散歩ばかりしていた私は、たしか親がOKしてくれればいいですよ~的な返答をした気がする。

大きな震災があって、命からがら逃げだして、避難所生活から、ようやくプライバシーのある二次避難施設に来たばかりで・・・
親は最初渋っていたように思う。
でも、私の決意が固かったので、それなら、一度その場所を見に行ってみよう!ということになった。
当時、妹家族がちょうどにゃんこはうす近くのアパートに避難生活を始めたところで、
そこに会いに行きたいというのもあったので、数日後くらいにはようすを見に行ったのでした。

CIMG0017.jpg
にゃんこはうすが間借りしていた、牧場の名前は聞いたことがあった。
たしか、馬がいて、子供が遊びに行くような施設だった。
おぼろげな知識で、地図を開いて(当時はカーナビがなかった)向かったその場所は・・・・

それはそれは・・・
大自然に囲まれていた。
うっそうとした、木々に覆われた道を延々延々と車を走らせると・・・
こんなところに人がいるのかしら?と思った頃に、顔を出したのはサルで・・・

不安になった。
私、こんなところに一人で生きていけるのかしら??

親も同様だったらしく、しきりに30を過ぎた娘の貞操を気にしていた。
いわく、強盗が来たらどうするのか?
へんな人が女一人だと思って来るかもしれないが、どうするのか?

事前に下見をしたせいで、不安は大きくなった。
それに、免許をとったばかりの私(震災の時は免許を持っていなかったのです)が、
裏磐梯からにゃんこはうすまで二時間ちょっとのドライブができるのか?

不安材料ばかりでした。
NEC_0086_20170206232702144.jpg

『山の中の三角お屋根の白い建物で、
大自然に囲まれて、ハイジのように暮らしてみませんか?』

今にして思うと、この誘い文句にOKした自分が信じられない。
すごい無茶ぶりだな~と思う。

何しろ、電話で話してはいたけれど、私とありこさんはその当時、一度会っただけ・・・という間柄で。
お互いに相手がどんな人か良くわかってなかった。

そんな相手に頼まなきゃいけないくらい、困っているのだろうし・・・
猫の助けになることだから・・・
そんな単純な思考回路で、行くことを決めた。

やがて、8月になって・・・
ありこさんには「8月13日10時ころにに来てくださいね~」って、言われていたので、
バッグひとつに身の回りの物を詰めて(当時はそのくらいしか荷物がなかった)
犬をお供に出かけて行った私が見たものは・・・

山のような支援物資と、たくさんのボランティアの人たちだった。
「・・・中山さんは???」
と思っていると、嵐のように現れたありこさんは、話す間もなくレスキュー班とあっという間に去っていき・・・

NEC_0001_20170206232657e63.jpg

何をどうしていいのかわからない私と、てきぱき働くボランティアの皆さまが取り残されたのだった。

レスキュー班が猫を連れ帰るまでに、猫が入るケージを用意しなきゃいけない。
フードや、猫砂やトイレの用意も必要だ。
部屋を仕切る工事で、木くずだらけのお部屋も掃除しなきゃいけない。

にゃんこはうすに到着する前に猫を飼い主さんのところに届けてきたという、空になったキャリー(しっこまみれ)も
洗わなきゃいけない。
この日は、折悪しく風のない暑い日で・・・・

森の谷間に張り付くように立地したにゃんこはうすは、無風。
熱いゼリーのようなもったりした空気に覆われていました。

暑い・・・
窓が開いていても、風が入らない・・・
汗ばんだ体にアブが入れ食い。
追い払っても追い払っても、入ってくるアブに何度刺されたか・・・
(アブとは、セミを3センチくらいに小さくしたような生き物で、人や動物の生き血や樹木の汁を吸う虫です)

というのも、この当時、にゃんこはうすには網戸がなかった。
しばらく使われていなかった建物だったので、劣化を防ぐために網戸が外されていたのだ。
網戸を探して、設置したのも、この日だったような気がする。

とにかく、何をしていいかわからないし、ケージの組み立て方も分からない私は・・・
てきぱきと作業を進めるボランティアさんの間を行ったり来たり・・・
右往左往するただの役立たずだった・・・

「何かすることはありますか?」

小さく(不安で小声になっている)、繰り返しながらうろうろしている・・・
不安そうな顔で、挙動不審な女。
自分で言ってて、むなしくなってきたけど、その時の私はハイジじゃなかった。

どっちかっていうと、マッチ売りの少女・・・っぽい。

NEC_0111_20170206232703d7e.jpg
そんな私のところにやってきた、7匹の猫。
どうなるのでしょうか・・・


ネガティブなまま終わる。
続きはまた、気が向いたら。







プロフィール

ボンママ

Author:ボンママ
ねこだいすき。
なぜか飼っているのは犬。
石とか貝とか植物もすき。
海外ドラマ好き。

※当ブログはリンクフリーです※

お問い合わせは、
inunoossann.
nekodaisuki
@gmail.comまで。

管理人に物申す
猫へのお問い合わせ
もうちょっと知りたいそこんとこ。
などなど・・・
お気軽にどうぞ。

名前:
メール:
件名:
本文:

カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
南相馬にゃんこはうす

にゃんこはうす
南相馬市にある被災猫シェルターです。 福島県原発被災地の猫のレスキュー、家族さがし、里親募集をしています。 多くの方に支えられて、活動を続けています。

にゃんこはうすで、今必要としているものは、Amazon.JAPANのたすけあおうNIPPON 東日本大震災のページに掲載して頂いております

レスキューの欲しいものリスト

にゃんこはうす保護っこの欲しいものリスト

からご支援いただけます.


お気に入りリンク
QRコード
QR