2015.12.19(Sat)

本当に久しぶりのにゃんこはうす。
ご支援いただいたフードと、捕獲器を積んで・・・
出発するのも以前とは違って、お昼近くになります。
福井と福島。
結構、違います。
気温がかなり違う。
福井は一日中同じような気温で、寒暖の差がありませんが、福島は昼と夜の温度は10度以上違うことも・・・
幸いお天気にも恵まれて・・・

くーちゃんに見送られて、多紀さんと給餌に行ってきました。

給餌場所のフードはどこも空っぽ。
野生動物の被害にあって、吹き飛ばされているものもありました。
野生動物の被害を受けず、猫の口に入るようにするのにはどうしたら良いか?
給餌場所にはいつも、頭を悩ませています。
給餌場所だった飼い主さんのおうちが、解体されて更地になってしまっていたり・・・
除染作業中で入ることができない場所があったり・・・
給餌作業そのものは、単純ではありますが、難しいな・・・と感じることも多いのが現実です。

いっぱいになった給餌器。
猫が食べてくれているといいのだけど・・・
解体で更地になってしまった給餌場所。
近くに給餌場所を移動したのですが、移動した初日から猫が食べに来ているのが確認できています。
猫のネットワークは意外と広いから、今回の給餌のときはもっとたくさんの猫が来てくれたかもしれません。

別の場所では猫の姿も見かけました。
冬の猫たちは、田んぼや草地の真ん中にたたずんでいることが多いような気がします。
ちょっとあられに似ているこの子は、私たちの姿を見ても逃げなかったけれど、声をかけたら一目散に逃げて行ってしまいました。
人を知らない世代の子かもしれません。
にゃんこはうすで保護された、人を知らない世代の子たちは、「人が何なのか分からないから怖い」子が多くて、すぐに人間に心を開いてくれる子が多いです。
逆に、人を知っている世代で、「人が怖いことをすると知っているから怖い」子たちは、なかなか心を開いてくれません。
白血病だったダイヤやこころちゃんは、亡くなるまでその柔らかい被毛をなでることはできませんでした。
近頃、「人が怖い」子たちを保護することの是非を、とりとめもなく考えてしまいます。
私の家にいるジェリーやうずら、ふわりにセーラ・・・
体調が悪くなれば、動物病院に連れていきますが・・・
怖がる彼女たちをむりやり捕まえて病院に連れていくことが、最善なのかな?と考えてしまうのです。
同じように、レスキューのときも、保護していいのかどうか?逡巡する気持ちがあります。
震災から4年半が過ぎ・・・
今、そこで生きている命を是が非でも保護しなければという気持ちは少し変わってきました。

保護しなければ死んでしまう。
給餌しなければ死んでしまう。
そんな思いに追いかけられるような焦燥感が少なくなってきたようにも感じます。

遠くに見える、原発の排気筒。
そこはまぎれもなく現実なのだけど・・・
福島にいた時よりも、ニュースに上ることは少なくて、まるで遠い遠い外国の話のように思われることもあります。
あのときにあったこと、それから現在へ続く一連の出来事が、遠い過去のような・・・
ありこさんは夢のよう・・・と言いますが、本当に現実感が希薄で。
今、福井に暮らしている自分が夢で、実際にはにゃんこはうすに住んでいるようで・・・
不思議な感覚です。

震災前、大熊町の名産品だったキウイ。
たくさんの果樹園にも、個人の家にもよく植えてある植物です。
震災前は、こんな風に放置されて、実が小さくなっていたり、取り残されていることなんてなかったのだけど・・・

見る人がない花もきれいに咲いていて・・・
悲しい気持ちになります。

震災前に交配して、苗を育てていたクリスマスローズ。
除染の前に、母が仮設住宅へ持って帰って・・・除染が終わったところに植えなおしてくれました。
今年もきれいな花を咲かせてくれるでしょうが、見ることはできないかもしれません。
前を向いて歩いていこう・・・
そう考えたのはいつのことだったか。
時折、震災直後のことを思い出したり、思い出されるような事象に遭遇すると
あの当時に引き戻されるような感覚で、つらくてたまらなくなることがあります。
前向きに、頑張って、進んでいくって難しいな。

そんなときに、心をいやしてくれるのも、また、猫です。
悲しいこともあったりするけど、福島でも、福井でも、猫たちに助けられて、頑張っています。
次回の給餌は12月最後の立ち入り日。
年越しなんて、猫には関係ないかもしれないけど・・・
寒い寒いこの時期、お腹を減らして彷徨うことがありませんように・・・
とりとめない話ですみません。
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