2017.03.04(Sat)
ありこさんが出会ったときのことを書いてるので、私の視点のお話を少し。
2011年の五月。
一回目の一時帰宅で、猫を二匹保護したものの、残る一匹。
母の愛猫ボンちゃんを保護できなかった私は、深く悩んでいました。
当時は二次避難施設の裏磐梯にいて、自宅のある浪江町までは車で3時間ほどの道のり。
警戒区域に設定されて、自由に入ることもままならず・・・
私は車の免許も持っていない。

あちこちに設置されたバリケードのせいで、自宅へ近づくこともできません。
そんなときに、警戒区域になった圏内で猫を保護している人がいるという話を聞いたのです。
中に入っているという団体や個人は何か所かあって、当時、連絡先の分かるところには連絡を入れたり保護の依頼をしていました。
そんなある日、福井県にあるねこさま王国という団体が圏内に入るという話を聞きました。
連絡先の電話番号を教えてもらって・・・
事前に調べた、ねこさま王国のHPには「家猫5匹保護猫その時たくさん。にゃんこにまみれた幸せな?猫の王国の召使です・・・。」と書いてあって・・・
・・・・本当にこの人が、福井県から福島まで来て、猫を保護してくれるのだろうか?と不安になった。
だまされてるんじゃなかろうか?と思ったりもした。
変な人でもいい。猫を助けてくれるなら・・・と、意を決して電話をかけました。
電話口に出たのは、やさし気な語り口調の女性で・・・
私の携帯の通話料のことを気にして、すぐに折り返して電話をかけなおしてくれた。
何を話したのかよく覚えてないけど・・・
うちの猫がまだ一匹保護できないんです、助けてくださいとお願いしたと思う。
そしたら、中山さんは・・・
「一緒に行きませんか?」と言ったのです。
それまでに電話したいろんな団体は、そんなことを言う人はいなかったので、とても驚きました。
猫が助かるなら・・・
私が行っても迷惑にならないなら・・・
そんなわけで・・・自宅のある浪江町にたどり着いた私。
(そこまでの行き方は、森さんの本でご覧ください)
ありこさんはまだ到着していなかった。
自宅で捕獲機の使い方のレクチャーを受け・・・
猫を探して、たださまよっていると・・・
しばらくして、ありこさんがやってきた。
車から降りてきたありこさんは・・・
たくさんの荷物を手に持っていて・・・
「はい、バーベキューセット。」
「はい、魚」
「はい、ウインナー」
「はい、ソース焼きそば」
「はい、柿の葉寿司と焼き鯖寿司(人間用)」
山のように、いろんなものをくれて、これで匂いを出して、猫を寄せ集めてくださいと言っていたような・・・
「じゃ、頑張って!何かあったら、連絡してくださいね」
と去っていった。
対面時間はたぶん、30分に満たなかったと思う。
一人、取り残された私は・・・
勝手知ったる我が家で、バーベキューをするという任務を遂行するべく動き出しました。

困ったのは、火を付ける道具がなかったことでした。
震災当日、停電で真っ暗だったので、ライターなどを使ってろうそくを使ったことは覚えている。
その後、何かあったらということでライターは、父がもって避難していた。
自宅にあったのは、仏壇のしけったマッチ数本。
着火剤はなく、炭に火を起こさなければいけない。
最初の一本は、着火剤代わりにしようと思った新聞に火を付けたとたんに消えてしまって・・・
炭までには火が届かず・・・
地味にピンチだった。
残りのマッチは真剣に頑張らないと、サバイバル並みに木材をこすり合わせて火を付ける羽目になる。
・・・屋内にあった新聞や雑誌を総動員して・・・
ようやく炭に火は起きました。
見たことのない形の魚に、『この魚はいったい何だろう…???』と思いながら、
焼き始めると、今度は別の問題が発生しました。
頭上をトンビが飛び始めたのです。
カラスもギャーギャーと鳴いています。
魚の焼ける匂いで集まってきたのでしょう・・・
煙ももくもくと出始めました。
『このままじゃ・・・猫が来る前に警察が来てしまう・・・・』
と焦っていたその時でした。
裏庭の方から、ボンちゃんの声がしたのです。

追いかけると逃げてしまう、ボンちゃんを追って・・・
裏庭に向かう私。
バーベキューのことはすっかり頭にありませんでした。
ボンちゃんを無事に確保するまでにかかった時間は5分くらい。
最初はシャーとか怒っていたボンちゃんでしたが、捕獲して、二階の私の部屋に閉じ込めると、今までに見たことがないくらいに痩せていました。

(のちに、どこが痩せたの?と聞かれましたが)
ボンちゃんを確保したことで、安心して・・・
火が付きっぱなしだった、バーベキューセットのところに行ってみると・・・
網の上は空になっていました。
倒されることもなく、きれいに空になった魚とウインナー。
あの当時飢えていた、犬か鳥か・・・だれかのお腹をいっぱいにする役には立ったみたいです。
ボンちゃんを保護したことを連絡すると、ありこさんはとても喜んでくれて・・・
私もうれしくて・・・・
泣いた。

翌日、迎えに来てくれたレスキュー班が保護したツナミ君。

捕獲機を使うこともなく、ケージの中にご飯を入れると、素直に入ってくれました。

時が経って、振り返ってみると、笑い話になってしまうのだけど・・・
あの当時、本当に必死でした。
あの時、ありこさんに電話して良かった。
そうしなかったら、ボンちゃんは助かっていなかったかもしれません。
出会えてよかった。
本当にそう思います。

2011年の五月。
一回目の一時帰宅で、猫を二匹保護したものの、残る一匹。
母の愛猫ボンちゃんを保護できなかった私は、深く悩んでいました。
当時は二次避難施設の裏磐梯にいて、自宅のある浪江町までは車で3時間ほどの道のり。
警戒区域に設定されて、自由に入ることもままならず・・・
私は車の免許も持っていない。

あちこちに設置されたバリケードのせいで、自宅へ近づくこともできません。
そんなときに、警戒区域になった圏内で猫を保護している人がいるという話を聞いたのです。
中に入っているという団体や個人は何か所かあって、当時、連絡先の分かるところには連絡を入れたり保護の依頼をしていました。
そんなある日、福井県にあるねこさま王国という団体が圏内に入るという話を聞きました。
連絡先の電話番号を教えてもらって・・・
事前に調べた、ねこさま王国のHPには「家猫5匹保護猫その時たくさん。にゃんこにまみれた幸せな?猫の王国の召使です・・・。」と書いてあって・・・
・・・・本当にこの人が、福井県から福島まで来て、猫を保護してくれるのだろうか?と不安になった。
だまされてるんじゃなかろうか?と思ったりもした。
変な人でもいい。猫を助けてくれるなら・・・と、意を決して電話をかけました。
電話口に出たのは、やさし気な語り口調の女性で・・・
私の携帯の通話料のことを気にして、すぐに折り返して電話をかけなおしてくれた。
何を話したのかよく覚えてないけど・・・
うちの猫がまだ一匹保護できないんです、助けてくださいとお願いしたと思う。
そしたら、中山さんは・・・
「一緒に行きませんか?」と言ったのです。
それまでに電話したいろんな団体は、そんなことを言う人はいなかったので、とても驚きました。
猫が助かるなら・・・
私が行っても迷惑にならないなら・・・
そんなわけで・・・自宅のある浪江町にたどり着いた私。
(そこまでの行き方は、森さんの本でご覧ください)
ありこさんはまだ到着していなかった。
自宅で捕獲機の使い方のレクチャーを受け・・・
猫を探して、たださまよっていると・・・
しばらくして、ありこさんがやってきた。
車から降りてきたありこさんは・・・
たくさんの荷物を手に持っていて・・・
「はい、バーベキューセット。」
「はい、魚」
「はい、ウインナー」
「はい、ソース焼きそば」
「はい、柿の葉寿司と焼き鯖寿司(人間用)」
山のように、いろんなものをくれて、これで匂いを出して、猫を寄せ集めてくださいと言っていたような・・・
「じゃ、頑張って!何かあったら、連絡してくださいね」
と去っていった。
対面時間はたぶん、30分に満たなかったと思う。
一人、取り残された私は・・・
勝手知ったる我が家で、バーベキューをするという任務を遂行するべく動き出しました。

困ったのは、火を付ける道具がなかったことでした。
震災当日、停電で真っ暗だったので、ライターなどを使ってろうそくを使ったことは覚えている。
その後、何かあったらということでライターは、父がもって避難していた。
自宅にあったのは、仏壇のしけったマッチ数本。
着火剤はなく、炭に火を起こさなければいけない。
最初の一本は、着火剤代わりにしようと思った新聞に火を付けたとたんに消えてしまって・・・
炭までには火が届かず・・・
地味にピンチだった。
残りのマッチは真剣に頑張らないと、サバイバル並みに木材をこすり合わせて火を付ける羽目になる。
・・・屋内にあった新聞や雑誌を総動員して・・・
ようやく炭に火は起きました。
見たことのない形の魚に、『この魚はいったい何だろう…???』と思いながら、
焼き始めると、今度は別の問題が発生しました。
頭上をトンビが飛び始めたのです。
カラスもギャーギャーと鳴いています。
魚の焼ける匂いで集まってきたのでしょう・・・
煙ももくもくと出始めました。
『このままじゃ・・・猫が来る前に警察が来てしまう・・・・』
と焦っていたその時でした。
裏庭の方から、ボンちゃんの声がしたのです。

追いかけると逃げてしまう、ボンちゃんを追って・・・
裏庭に向かう私。
バーベキューのことはすっかり頭にありませんでした。
ボンちゃんを無事に確保するまでにかかった時間は5分くらい。
最初はシャーとか怒っていたボンちゃんでしたが、捕獲して、二階の私の部屋に閉じ込めると、今までに見たことがないくらいに痩せていました。

(のちに、どこが痩せたの?と聞かれましたが)
ボンちゃんを確保したことで、安心して・・・
火が付きっぱなしだった、バーベキューセットのところに行ってみると・・・
網の上は空になっていました。
倒されることもなく、きれいに空になった魚とウインナー。
あの当時飢えていた、犬か鳥か・・・だれかのお腹をいっぱいにする役には立ったみたいです。
ボンちゃんを保護したことを連絡すると、ありこさんはとても喜んでくれて・・・
私もうれしくて・・・・
泣いた。

翌日、迎えに来てくれたレスキュー班が保護したツナミ君。

捕獲機を使うこともなく、ケージの中にご飯を入れると、素直に入ってくれました。

時が経って、振り返ってみると、笑い話になってしまうのだけど・・・
あの当時、本当に必死でした。
あの時、ありこさんに電話して良かった。
そうしなかったら、ボンちゃんは助かっていなかったかもしれません。
出会えてよかった。
本当にそう思います。
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